【RRSP】投資の利点と欠点

この記事ではタイトルの通り、RRSP口座を用いて投資をする場合の利点と欠点について学んだことをまとめます。

これからカナダで投資を考えてる人がターゲットです。一緒に勉強していきましょう。

RRSP

Registered Retirement Saving Accountの略称で、ざっくり言うと「個人年金」です。

日本でいう「iDeco」にあたるのが、RRSPということだにゃ。
カナダにも老後2000万円問題があるのかにゃ?

老後2000万円問題が、カナダにも当てはまるかは分かりませんが…

CPP(年金)だけで生活するのは不可能だということは間違いありません。

RRSPの大前提

個人年金口座なので、老後(リタイア後の生活)に向けた貯蓄型の投資口座です。

日々使うメインの口座には出来ないし、途中(71歳未満)で引き出すとペナルティが課せられる場合があります。

RRSPで投資するなら
  1. RRSPは老後に備える投資
  2. 簡単には引き出せない
  3. 制限はあるが、その分メリットもある

大前提を理解できて、老後に備える準備が出来たら…

【RRSP口座を用いた投資の利点と欠点】の内容に入ります。

RRSPの利点

ざっくりとRRSP口座を用いた投資の利点は以下…

RRSPの利点
  1. 所得控除が受けられる
  2. 投資先の制限は無し
  3. 投資せずとも貯金口座にもなる(おススメしない)

所得控除が受けられる

RRSPの最大の利点が、税金控除です。

RRSP口座に入金した金額が、所得からマイナスすることが出来ます。

例えば

【収入が一年で「$50000」で、RRSP口座に「$5000」入金した場合】

所得税が課されるのは…

$50000 – $5000 = $45000 の収入に対してとなります。

2020年カナダの所得税率は、年収$48535までの人は一律15%を所得税として引かれます。

その上の税率である「$48535~$97069」の人は、年収が$48535を超えた分だけ20.5%の税率が課されます。【累進課税制度】

つまりRRSP口座に入金すれば…

$45000 × 15% = $6750

RRSPを利用しなければ…

($48535 × 15%) + ($50000 – $48535) × 20% = $7043

その差「$293」が所得控除されます。

上の計算は国に支払う「国税」のみで、バンクーバーで暮らしているなら…

国税とは別に「州税」を支払う必要があります。

Federal Tax(国税)+Provincial Tax (州税)を毎年支払う必要があるので、必然的にRRSPを利用すれば、利用した分だけ所得控除のメリットが受けられます。

例のように…

税率の変動する付近の年収の人は、RRSP利用が特におススメ。

RRSPに入金することで、税金のブラケットを下げるコトができます。

RRSPに入金するだけで、Tax return時に返済される金額が多くなるにゃ。
ちょっとしたプチ・ボーナス的な感じがして嬉しいにゃ。

投資先の制限が無い

日本のiDecoと違って、投資先に制限が無いにゃ。
他の投資口座と同じように、好きな株や債券、ETFを購入することが可能にゃ。
何でも買えるからって、目的を忘れてはダメだにゃ。
RRSP=老後の備え
老後の備えた投資

老後に備えた投資先を第一に考える。

RRSPで貯金する(おススメしない)

RRSP口座に入金すれば、所得控除の対象になるので「投資」をしなくても税金対策になります。

税率が上げる付近の人には有効ですが、RRSPをただ貯金の口座にするのは勿体ない。

RRSPで貯金はダメ

RRSPに入金したお金を途中で引き出すには、ペナルティが課されます。

貯金するなら素直に「Saving Account」を使いましょう。

RRSPの欠点

ざっくりとRRSP口座を用いた投資の欠点は以下…

RRSPの欠点
  1. 72歳までは基本的に引き出せない
  2. 前年度の収入の18%が上限

72歳までは基本的に引き出せない

正確に言うと、引き出すのに制限はありません。

いつでも引き出すコトができます。

では、なぜ72歳まで基本的に引き出せないかと言うと…

引き出すことで「ペナルティ」が課せられるのが理由です。

早期にRRSPからお金を引き出すと
  • $5000 引き出す場合 → 10%
  • $15000 引き出す場合 → 20%
  • それ以上 引き出す場合 → 30%

の手数料(ペナルティ)が必要になります。

+αとして、引き出した金額は「その年の収入」に加算されます。

つまり、その分多く国税と州税を支払うコトになります。

早期で引き出すと、せっかく投資で運用してきたのがペナルティで台無しになる可能性もあるにゃ。
ダブルパンチ喰らうかんじかにゃ。

何度も言いますが、RRSPは老後のための個人年金です。

老後の少なくなるであろう収入を、補う目的がRRSPでの投資なのです。

ちなみに…

72歳になると強制的に、RRSPからRRIF(Registerd Retirement Income Fund)とよばれる口座に移行され95歳まで「定められた(最低限)以上の額」を自分の口座に戻す必要があります。

受け取る際には
  • ペナルティはないが、引き出した額は所得に加えられる(税金対象)
  • RRIFでの運用利益は税金対象外。

つまり…

適切なRRSP受給年齢に達しても、引き出した額は税金が課せられるということ。

老後にもし「小金持ち」になってたら、そんなにメリットないかもにゃ。
保険にゃ!

前年度の収入の18%が上限

毎年RRSPに入金できる金額が、前年度のTax returnによって決まります。

2021年の場合は、最大で$27830です。

まぁ、上記の金額が当てはまるのは富裕層であって、僕のような一般人の場合だと…

前年度の収入の約18%になります。

18%も必要ない

18%と聞いて「少ない」と感じた人は、考えてみて下さい。

【収入$50000の場合】

税金など支払った後に手元に残るお金は、約$39800です。

$50000の18%である、$9000を引いた場合に手元に残るのは、約$30000です。

$30000、つまり毎月$2500使うことが可能です。

家賃・光熱費などを含めた、生活費だけでギリギリです。

趣味や旅行はできないのでは無いでしょうか?

そもそも「貯金」ができないのがヤバい。

【上記の例】

年収$50000という平均以上の場合でさえ、カツカツです。

年収が下がれば、そもそも満額RRSP に投資することは厳しくなります。

できる範囲で少額から投資を始めましょう。

できる範囲で少額から投資を始めるにゃ。

欠点が利点を上回る

僕個人の見解は、RRSPについてはネガティブな考えです。

欠点の方が利点より勝ってると思うからです。

僕の場合
  1. そもそも貯金額が少ない。
  2. 何かあれば直ぐに引き出せる状態にしときたい。
  3. TFSAの限度額上限にまだ余裕がある。

これらの理由から、「税金控除を目的とした」RRSPでの投資に比重をおけないのが現状。

収入が増えればRRSP投資を積極的に行う計画はあります。

本音はRRSPで早く投資したそうだにゃん。

まずは貯金額を増やすコトが先決です。

RRSPで投資する場合の注意

RRSP投資における「利点と欠点」をざっくり書いてきました。

RRSP投資に興味がでてきたら、もっと調べましょう。

最後に…僕が陥りそうだったRRSPの罠についてです。

税金控除だけに惑わされるな

RRSP投資における最大の利点である、税金控除だけに浮かれて投資をしてはダメ。

RRSPは老後の備えで、キャッシュフローが非常に悪い。

他の投資以上に「余剰資金」で投資するコトが大切だと思いました。

最後まで読んでいただき、有難うございました。

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